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#きみあおみた

 

以下、盛大にネタバレしております。感想ブログのつもりがどちらかといえば考察ブログなのかもしれない。ときどき修弥にマジレスしてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君が落とした青空、何回も観てきたけれどわたし的1番の感情移入キャラが横田真悠ちゃん演じる西村トモカ(当方松田元太担ですけれども)。そのトモカが3回目のタイムリープ、修弥を呼び出して告白するシーン。

 

 

モカがついに修弥に秘め続けた想いを伝えるんだけど、修弥はもちろん実結のことが大大大好きだし「ごめん」と断る。その後、去り際に修弥が振り返って「誕生日おめでとう」とトモカに伝える。その言葉を聞いたトモカは今にも溢れそうになる涙を必死に堪える…っていう体感5分のシーン。

 

 

原作の櫻いいよ先生は「トモカは自分の気持ちに正直な女の子なだけ」と仰っていた。また「どのキャラクターも悪者にしたくない」とも。

 

 

修弥を想うばかりに毎月1日の映画の約束について「それだけって寂しくない?わたしならもっと会いたい。もっと大事にする」と実結に発破をかける。一応原作では、"修弥は実結のことをクラスでよく話す"っていう描写がある。映画ではその描写はなかったけれども、もしかしたら修弥は実結のことをクラスでよく話していたという裏設定がある?のかもしれない。月一映画の約束も知ってるし。そういう修弥の話を聞いていたかもしれないトモカは「わたしなら修弥への好きをもっともっと伝えるのに…」って常々思ってモヤモヤしていたんだろうなあ。わかんないけど。

 

 

そんなふうに積もりに積もっていた感情が実結の前で隠しきれずに爆発してしまうんだけど、その言葉が実結が修弥に本音を話すきっかけの一つになる。そのきっかけもひとつじゃなくたくさん散りばめられてると思ってて

 

佐喜子の

「素直じゃないなあ。もっと会いたいって素直に言えばいいじゃない」

 

佑人の

「好きなんだよ…お前のことが」

 

モカ

「わたしならもっと会いたい。もっと大事にする」

 

そして修弥と映画館で喧嘩するシーン。

「一度でも本当の気持ち言ったことないよな!」

 

 

これがちゃんとタイムリープ各回に散りばめられている台詞っていうのがミソな気もする。佐喜子の台詞は初日、佑人の台詞はタイムリープ1回目、トモカは2回目と3回目、修弥は2回目。"タイムリープは3回"という回数にちゃんと毎回意味を持たせてるんだなあと思う。周りの人の実結に向けられた正直な言葉が、どうしても素直になりきれない実結の心にはすごく響いたんじゃないかな〜。そして修弥がずっと隠していた行動の意味を知り、本心を知り、修弥とちゃんと向き合うことを決意した実結はトモカの一言に言い返す。これでトモカが焦るんですよねきっと。"絶対にわたしの方が修弥を大切にできる"と確固たるものがあったのに、それが揺らいでしまう。(と言いつつも修弥に告白する描写があるのがこの映画の場合、タイムリープ3回目だったというだけなのでもしかしたら初日にもタイムリープ1回目でも実は告白してるのかもしれない。)

 

モカが自分の気持ちに素直に行動した結果が実結を強くするきっかけのひとつになったのだから、トモカにとってはなんとも皮肉だなあと。

 

 

それで告白シーンになるわけだけれども、この場面の修弥の「誕生日おめでとう」っていう台詞。舞台挨拶のときにこの台詞についてアリかナシかなんて質問がキャストの5人に対してあって、元太くん板垣くんの男性陣2人はアリ、莉子ちゃん真悠ちゃんリコリコちゃん女性陣3人はナシだと札を挙げていた。わたし個人的な意見として女性陣と同じナシ。振るならしっかりスッキリ振ってほしい。でも物語的にはアリだったんだろうなと。監督もこの台詞を加えるにあたってすごく話し合ったと言っていた。

 

 

修弥はサプライズするために、実結には秘密でトモカと同じ店でバイトする。それが実は2人そういうは関係なんじゃ…と噂になり、それが実結の自分への自信のなさを加速させるきっかけになってしまう。鈍感な修弥はそんな実結の気持ちには一切気付いていないし、トモカに対しても仲睦まじく接し続ける。「喧嘩しても、絶対に毎月1日は映画に行く」と2人で交わした約束も「バイトが入ってる」とトモカの電話を信じてしまい、ドタキャンしてしまう。でも逆にいえば約束を破らせたのはトモカなんですよね。たった月に1回の約束であると知りながら。(まあ正直なところなんで修弥はバイト先に直接確認しないの?とかいろいろ思うことはあるけれど)

 

 

修弥がやってきて最初のトモカの一言が「ごめん、嘘ついた」修弥はそれに対しては言及していない。まあ月一の約束を知ってる上でトモカは嘘ついて呼び出してることを知ってるので直接的には何も言えないんだろうな〜。けれどこれでは完全にトモカは悪者になってしまう。おまけに彼女は嘘までついている。そうしないための修弥の「誕生日おめでとう」なんだろうなと。おめでとうだけではなく、友達としてトモカを大切に思う気持ち、「ごめん」に対しての許し…修弥の優しさがこれでもかと詰められていたんじゃないかなと思う。

 

 

Yuki監督が「この台詞は言い方が大事だから」(超ニュアンス)と元太くんに伝えたと舞台挨拶の際に言っていた。それを元太くんは見事に表現してみせたんじゃないかな〜と思う。すごいの一言。

 

 

しかし修弥ってトモカに対しては"お前"って言う(タイムリープ1回目、世界史の教科書貸してのくだり「お前、また置きっぱかぁ?」)のに、実結には喧嘩になっても"お前"って言わないんですよ…感情的になっても「実結はどうなんだよ!!!」だし…泣いた…友達と彼女…ここで明確な差が…トモカには幸せになってほしい…。てか横田真悠ちゃんすっっごくかわいい。生で見たときおったまげた(おったまげた)

 

 

ただのキラキラ学園青春映画かと思いきや、みんな言ってるけれどもたくさんのこと考えさせられる映画。高校生のときにこんな作品に出会いたかったなと、制服で観に来ていた子たちを見てとても羨ましく思った。母親が作ってくれたお弁当のおかずにあーだこーだ言ってた過去の自分にコラ!と言ってやりたい。

 

 

元太くんが立派に主演を務める姿を初めて見る作品が『君が落とした青空』でよかった。素敵な作品に出会えてよかった。これから先もたくさんの人の心に響き、永く愛される作品になりますように。