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佐藤祐樹様
もう今年も終わりますね。お元気してますでしょうか?
最近何か心に残ったことありましたか?ちっぽけなことでいいんです。空が青くて綺麗だったとか、小鳥の囀りが美しかったとか、初めて行ったごはん屋さんで食べたものが美味しかったとかなんでもいいんです。そんな他愛もない、ありふれた光景や耳に飛び込んでくる音や食べた物が、綺麗だったり、心地よかったり、美味しいと感じたりする。そんなことが、今のあなたに必要だと思うんです。
きっと自分に飛び込んでくる要素、何もかもが色を失い、もしかしたら自分はこんな世界に生きている意味があるのだろうか、そんなことも考えてしまったんじゃないかってわたしは思ってました。赤の他人ですしもちろん当の本人でもないから、あなたの気持ちは全ては分かり得ない。そんなことは重々承知の上です。でも、それぐらいあなたにとって大切で、これからの未来を生きていく上で必然的に隣にいるはずだった人。大好きだった人。
もしかしたら、"こいつが悪いんだ"っていう存在がいた方が、あなたは報われたかもしれません。その人に裁きが下れば、あなたの心も少しは晴れたかもしれない。でも、その存在すら失ってしまった。というより、初めからそんな人いなかった。あなたはそれを知った時どう思ったんだろう。そんなことばかり考えてました。
わたしはそれが良かったんじゃないかと思います。あなたが、特定の誰かを恨んで生きていかずに済んだから。あなたが少しでも負に感じてしまう要素がなくなって良かった。でも、そうなるとあなたは自分を責めるのかな。俺が守れたかもしれない、って。
でも、どうか自分を責めすぎないでほしいんです。あなたが生涯かけて守りたかった人のためにも。彼女もそんなこと望んでないと思うから。だってあなたは悪くないから。彼女の分まで、あなたの人生を謳歌して、あなたのために生きてください。いろんなものを美しいと感じて、美味しいと感じて、心を豊かに、自分を大切に生きてください。そして、その美しかったものをよかったら天から見守ってくれている彼女に報告してみてください。そうしたら彼女も安心してくれますから。
彼女が嬉しいとあなたも嬉しかったように、彼女もあなたが幸せでいてくれることが幸せだと思うんです。きっと、あなたが悲しんでるのを見たら、彼女も悲しみます。あなたと幸せになるために永遠を誓ったのに、何でわたしのせいであなたが悲しんでるんだろう?って。
彼女のためにも、あなたのためにも、あなたが心健やかにいれますように。この世のどこかで生きるあなたが、少しでも晴れやかにいてくれることを願って。
2020年12月吉日
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